上伊田西の獅子楽

福岡県田川市


1日目  5月17日(土)

(注) 本会HPの規定により未成年者の名前はイニシャルで表記し、写真は処理をしています。
 
 神幸祭の二日間、1週間前の天気予報は雨。どんな大雨でも獅子舞の奉納は行います。しかし、就学前の子どもたちから小学生で構成されている楽内(稚児舞)については、雨天では中止となります。どの程度の小雨なら楽打ちを出すのか話し合ったり、当日雨合羽の用意をそれぞれの部員に用意をしておくようにと伝えたりと心配な1週間でした。
 でも、神幸祭の前日、天気の予報が変わってきました。雨は1日目の早朝で上がるのではという予報に変わってきました。
 
早朝、公民館近くの辻旗は、強風でしなっています。公民館の庭には、水たまりが見られました。
この場所で舞うことができるのでしょうか?
太鼓も雨使用で出番を待ちます。
 



10時、部員たちが公民館に集まってきています。


公民館では、衣装の着付けが行われていました。


  心配された雨も上がり、水たまりも消えていました。初めて公民館での地元のお立ちをしました。
従来お立ちをしていた稲荷神社には、この舞に先駆けて役員が参拝しました。






 地区の住人の方々もたくさん見学に来ていただきました。 

  上伊田西の獅子楽史上、初めて女性で獅子頭を振った山口さん。今年は参加できないと伝わっていましたが、なんと当日に赤ちゃんを連れてサプライズ登場しました。おめでとう!
十数年後、母子で獅子舞を舞わして欲しいですね。


  舞の終了後には、御神酒をいただきました。子どもたちは、昼食で公民館へ! 
 


しっかり食事、元気エネルギーのチャージ



  公民館を出発、田川伊田駅を通過して風治八幡宮に到着しました。 


 この田川伊田駅は、太田裕美さんの名曲「木綿のハンカチーフ」のモチーフになった駅とも言われています。
 当時、太田裕美さんの担当ディレクターだった白川氏の父は田川市出身でした。かつての炭鉱の町から東京へ就職する若者を多く見ていました。彼の話を聞いて作詞家の松本氏が彼をテーマに詞を書き上げたそうです。


風治八幡宮に到着しました




 私たちが風治八幡宮に到着した頃、11地区の山笠も風治八幡宮下の道路に到着。
 この場所で山笠は稲穂をかたどったバレンという5式の柱を立てます。立てた後の山笠は、約13mとなります。電柱より高い。このままでは、電線に引っかかってしまうため、かつては、電線のない河川敷の横に移動してからバレンを立てていました。
 しかし、今日では、この場所から河川敷までのおおよそ500mの間は、一般的な電柱よりも高い電柱が立っています。さらに電線が道路上をほとんど横断していません。数箇所横断しているところがありますが、その高さが13m以上の高さに張られています。このことにより、山笠は、風治八幡宮から柱を立てたまま河川敷に移動できるようになりました。 田川伊田駅にお越しの時は、電柱をご覧になってみてください。

 
一般の電柱より高い電柱が立てられています。

河川敷の直前に横断する電線があります。
とても高いところに張られているのがわかりますか?


 山笠がバレンを立てているとき、境内では、お立ちの舞が始まります
「獅子が舞わねば神輿が動かぬ」と言われています。
 

 かわいい稚児たちは、「五穀豊穣」のシンボルです。神さまが子どもたちに憑依すると言われています。そのため稚児の衣装には各所に「鈴」が着けられています。
 神社ではお参りするときに 鈴を鳴らします。これは今からお参りをするので、神さまをお招きするためといわれています。
 稚児の衣装にも同じような効果があるのかも・・・。

   安全に二日間の渡御をお祈りします。神輿の担ぎ手たちも子どもたちの表情に気持ちが和らぎますね。





 お立ちの舞が終わるといよいよ御神輿が動き始めます 



  風治八幡宮の大神輿は重さが2トンといわれています。ちょっとした山笠の重さです。それを若者たちが担いで町内を練って河川敷に向かいます。


  風治八幡宮下に到着して、白鳥神社や山笠と合流。2基の御神輿は、河川敷に向かう前に、反対方向に11台の山笠の横を通過していきます。往復500mの距離を巡った後に河川敷に向かいます。河川敷に降りてくるまで約550mの距離です。
 
  私たちは、先に河川敷に向かいます。先ほどベレンを立てていた山笠もしっかりとバレンが立ち上がり勇壮で華麗な姿に変わっていました。 




 2基の御神輿が河川敷に到着しました。山笠も続々と河川敷横の道路にやってきました。


 川渡り神事の安全を願って2基の御神輿の前で舞を奉納します。




 獅子舞が始まると、横を通過する山笠の方々は、鐘の音を止めていただいていました。山笠が動いているときに鐘の音を止めることはあり得ないそうです。時に勇壮な山笠の鐘の音は、獅子楽にとってお囃子がかき消されるときがあるので、とてもありがたかったです。特別な配慮を感じました。ありがとうございます。 。
 


 私たちは川を渡らないので橋を通って御旅所に移動します。その際、河川敷から橋まで、山笠の通行と逆走することになります。その距離、約50m、獅子楽には小さな子どもたちもいるので、山笠の通行の横を通ることは危険です。タイミングを見て逆走するときには、山笠が橋の袂で私たちの通行が終わるまで待っていてくれました。大通り地区のみなさんありがとうございます。 




  御旅所に到着しました。川渡り神事が終わって、御神輿が御旅所に到着するまで、私たちは休憩になります


 大人のジュースでお祭り気分。でもこの後、奉納があるので、飲み過ぎないように! 


  私たちが休憩しているときに、祭りのメインイベント川渡り神事が行われています。



  先日までの雨で川は増水していました。
 

 写真手前にある神幸祭の時につくられる「仮橋」も壊れて通行禁止になっていました。 


 2基の御神輿が御旅所に到着しました



 
 


  無事1日目の渡御が終わり、それをお祝いする納めの舞を奉納します。
 御旅所では、風治八幡宮と白鳥神社の御神輿の担ぎ手が一緒になっています。
稚児たちのかわいらしい舞は多くの担ぎ手たちの労のねぎらいと明日への活力を生み出すでしょう。
 



 
 
  舞の奉納間に山笠も川を上がり、次々に御旅所に到着してきています 


  御旅所での奉納が終わり、私たちは帰路につきます。
 

  今年から車の通りの少ない道路を選びました。隊列の土手の後ろには、炭坑節で有名な2本煙突が見えています。 


2日目につづく


上伊田西地区獅子楽保存会